詳細紹介
年夜飯(ニェンイエファン、大晦日の食事)が終わりに近づくころ、年長者が立ち上がってポケットに手を入れます。食卓の子どもたちが一斉に静かになる、その瞬間です。
押さえているのは「歳」ではなく「祟」
紅包の中身は正式には「圧歳銭」といいます。民間の説では、この「歳」はもともと「祟(スイ)」という妖怪を指していました。大晦日の夜、眠る子どもの額に触れ、触れられた子は熱を出してうわ言を言うとされます。ある家が銅銭八枚を赤い紙に包んで枕元に置いたところ、近づいた祟が銭の光に驚いて逃げていった——ここから赤い紙で銭を包む習わしが生まれたと伝えられています。
初期の圧歳銭は本当に銅銭で、赤い糸で束ねられていました。百枚を一本に通したものを「百歳銭」と呼び、長寿を願う意味がありました。紙幣が普及してから、糸が袋に変わったのです。
金額の決まり
● 必ず偶数:600元、1,200元、2,000元、3,600元などが一般的です。奇数は白包(喪儀用)の額です。
● 四は避ける:400元、4,000元は使いません。「四」が「死」と同じ音になるためです。
● 六と八が好まれます:六は物事が順調に運ぶこと、八は財を意味します。
● 親へ渡す紅包は多めに包みます。これは「添歳」といい、また一歳を重ねてほしいという願いです。
いつ渡すか
本来は大晦日の夜、年越しの見張り(守歳)のあとに渡します。お金が子どもと一緒に年を越すという意味です。実際には年夜飯の直後に渡す家庭がほとんどです。開ける前に一晩枕の下に置かせる家もあり、これが「圧歳」の文字どおりのやり方になります。
今も守られている禁忌
● 袋を使い回さない:一度使った袋には前の年がついています。
● 一度包んだら開けて包み直さない。
● 渡した相手の前で開けない:その場で数えるのは失礼にあたるので、席を外してから確認します。
● 伝統的には既婚者だけが渡します。未婚であれば年齢に関係なく受け取る側です。
誰から誰へ
下へは子どもや年少者に、上へは親や年長者に渡します。同世代どうしで渡すことはあまりありません。家事手伝いの方、運転手、マンションの管理人に渡す家庭もありますが、これは心づけに近く、金額に決まりはありません。
現在の紅包
LINE PayやJKOPayでの送金もすっかり普通になりました。それでも紙の紅包はなくなりません。大切なのはお金そのものではなく、手から手へ渡すという行為だからです。旧正月前の最後の一週間、新札に両替する列が銀行にできるのも、そのためです。