伝説
保生大帝の最も名高い技が「**懸絲診脈**(けんしんしんみゃく)」です。
伝説では、あるとき皇后が奇病にかかり、御医たちは皆お手上げでした。その噂を聞いた呉夲は召し出されて宮中へ。しかし困ったことに、古来男女の別があり、医者が皇后の手に触れることは許されません。そこで彼は一計を案じました。一本の絹糸を皇后の手首に結び、もう一端を屏風の外へ引き出したのです。たった一筋の糸と一枚の屏風を隔て、糸を伝わる脈の動きだけから病因を正確に見抜き、薬を処方して皇后を治しました。これは医者でしょうか、それとも魔術師でしょうか。
台湾の人々がもっと好んで語るのは、大道公と媽祖の「法術比べ」です。民間の言い伝えでは、大道公が媽祖に思いを寄せた(そう、神様も片思いをします)ものの振られてしまい、二柱は張り合うことに。旧暦 3 月 15 日の大道公の聖誕には媽祖が雨を降らせてその髭を濡らし、3 月 23 日の媽祖の聖誕には大道公が風を吹かせてその化粧を乱す——だから毎年三月、風が吹いたり雨が降ったりと天気が定まらないと、台湾の人々は笑って言うのです。「大道公の風、媽祖婆の雨」。またあの二柱が張り合っている、と。
